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大須賀淳
2023.6.12 05:53その他ニュース

鬼「いのちをだいじに」

昨日はオドレら正気か?LIVE「コロナと陰謀論」現場でご参加の皆様、お疲れ様でした!そしてご視聴いただいた皆様、ありがとうございました!

波乱の末の開催でしたが、萬田緑平先生をお招きしての、死生観の話も交えての内容は多面的で、それらに刺激をうけた様々な思考をめぐらせながら帰宅した日曜の夜でした。

日曜の夜と言えば、「鬼滅の刃」の新シーズンが放送されていますね(使える絵が無いので色のみで表現(笑))

 

同作の最初の劇場版は、コロナ禍初年の2020年に年間興行収入が世界第1位になるなど、コロナ期にもっともヒットしたコンテンツの一つと言えるでしょう。

原作の連載は、最初の緊急事態宣言中である2020年5月に最終回が掲載されているので、ストーリーにコロナ禍の影響はほぼ無いと思うのですが、この作品と「死生観」について色々と考える所があります。

同作中の敵である鬼、とりわけその領袖である「鬼舞辻󠄀無惨」は、徹底した(自分限定の)「生命至上主義者」なんですよね。生命を維持することのみに異様に執着し、形勢不利になれば無数の肉片に分裂して逃げるなどという無様な行いも厭わない

そして強敵の多くは、元々は社会にルサンチマンを持つ人間で、特別な刀で頸を斬られない限りは死なない肉体を手に入れるために無惨の血をうけて鬼になってしまった者(一方でこの「血」には、接種直後に死んでしまう事があったり、太陽光にあたると体が崩壊してしまうという強力な「副反応」があります…)。

昔のドラクエのコマンドで例えると、鬼は「いのちをだいじに」モードです(笑)

一方、鬼を殲滅するために戦う主人公・炭治郎や「鬼殺隊」の面々は、総じて「生命を維持する」事ではなく「生命をどう使うか」(多くは親族などを鬼に殺された事の復讐がモチベーション)に重きを置いた人物。鬼舞辻󠄀無惨は「仇」の概念が理解できず、自らは生きているのに、他の人間を殺された事に怒りを抱く者を「異常者」とまで言います。

鬼殺隊の隊員はその多くが、自分自身の生命よりも、鬼を倒すという目的や精神性の継承を重視します。また、隊員の精神的支柱である「お館様」という存在は、世襲制でありつつ、血統のみに甘んじることなく幼少期よりあらゆる努力を重ね、務めを果たすことに生涯をかける存在。全く暴力的でないのに、曲者揃いの隊員に心から慕われ、そして強固な権威を持っています。

僕の感想では、「お館様」のモチーフは「天皇」で、鬼殺隊員の精神性はある意味での「保守の理想像」に(過激ではあるけど)近いと思っています(これは改めて書こう)。

隊員はそれぞれ私的な動機がありつつ、鬼を倒すという「公」の目的のために「ガンガンいこうぜ」(ドラクエ(再))の闘争心を湧き起こしているのですね。

そういえば、同作中の剣士たちの技は「呼吸」が大きな意味を持ちますが

 

みーんな「呼吸を制限」されながら、「いのちをだいじにの『空気』」の中で映画館につめかけていた、この不思議な構造には妙にモヤモヤが残っています。

 

みんな、何に共感していたんだろう。

大須賀淳

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